1999.10.12-18 Frankfurt
 Book Fair

 フランクフルトのBook Fair(Buchmesse)は、今年で51回目を迎える世界最大の書籍の見本市です。ここで版権の売買が行なわれます。出展される書籍は、日本からは、日本書籍出版協会(書協)が日本の書籍紹介のブースを出すほか、多数の出版社が参加しますが、アニメや美術系の本が多いようです。
 テーマ別に会場(ビルやフロアー)が分かれており、ゆっくり見るには数日かかります。

 ここでは、そのごく一部をご紹介します。


3.0 ハンガリー館4.1 4号館二階のロビー


3.1 Art館

ポスターやはがきがたくさんあります旧い本を切り裂いて固めたオブジェ


話題のBOL.DE

欧州のAmazon.comを目指すBOL社
社長は、元ハーレクインの副社長
Rocket eBookも売るそうです
Open eBook書籍のダウンロード販売も!


ハンガリー年のイベント

 今年は騎馬民族の国、ハンガリーの特集です。音楽家のコダーイ、煮込み料理のグラーシェ、陶器のヘレンド、ドナウ沿いの首都ブダペストが有名です。

昨年はスイス、一昨年はポルトガル中庭で、ハンガリー製品が売られていました

ハンガリーのダンスと音楽このグループは素朴で上手かった

エグリビカーベンというのが美味いとのことトカイのワインを買いました

天気晴朗なれど波静か
 朝日新聞社 出版局の「一冊の本」1999年11月号に、翻訳図書編集長の染田屋 茂さんが、書かれたフランクフルト通信をご紹介します。

 天気は文字通り、フランクフルトの秋色濃い青空のことだが、気になるのはフェア全体に活気が乏しいこと。 数字上は日本ほどではないとはいえ、どの国の出版界も好況とはいいがたいようだ。 ・・・(中略)
 ただし、ますます変化を加速する社会に対する不安の反動なのだろうか、人間の心や歴史をもう一度問い直そうという地道な努力に目を注ぎはじめた出版社も少なくない。大げさにいえば、氾濫する情報に人間が溺れかけているいま、我々に本当に必要な知識とは何なのか、本に何ができるのか,出版界が改めて考えるいい機会なのかもしれない。


 岩波書店の「図書」1999年12月号「こぼればなし」に載ったブックフェアの感想をご紹介します。

 10月13日から18日までフランクフルトで51回目の書籍見本市が開かれました。「葦の髄から」の感想ですが、日本の出版社がスタンドを列ねる一角は訪れる人もまばらで、その活気のなさにはただならぬものがあります。「ことばの壁」があるから、というだけではとても説明がつきません。では、2、30分きざみで来訪者をこなす賑やかな欧米のスタンドはどうでしょう。訪ねた先き先きで見せられる近刊リストをいくら繰ってもぐいと引き込まれるような本にはなかなか出会えない、というのが実情です。
 欧米の出版界ではこのところ企業連合が盛んですが、会期中の15日には世界的なメディア産業、ベルテルスマン社がドイツのシュプリンガー者を統合してベルテルスマン・シュプリンガー社を設立すると発表しました。シュプリンガー社は自然科学書の老舗出版社です。何やら大きなうねりのようなものを感じずにはいられませんでした。


Kazuo Shimokawa